その2 会報280号 平成31年1月 干支の箸袋 新しい試みとして販売促進策のツールに各店名入りの季節感のある箸袋を作ろうと言うことで、手始めは新年に使う干支の図柄入り、つまり、今年はイノシシの絵入を制作して昨年暮れに各店舗に配り、各店とも正月明けの営業から使っていただけるものである。 制作に当たっては、使い残した場合に来年にも使えるような絵柄にしてはどうかとの意見もあったが、名入りにするのであるから、あえて干支をデザインし限定制作のイメージを打ち出そうと決まった。 この試みが来年にも継続するか否かは全く不透明であるが、役員会では来年の干支はネズミであるが飲食店でネズミの絵柄はどうかと笑いを誘った。 筆者円湖の店では四季折々の花の絵をあしらったものでお客様に喜んでいただいているが、今回のイノシシの結果を踏まえて、MCMでまた、企画を考えてもよいのではなかろうか。 会報277号 平成30年10月 GalleryK&S 今月は記事が少ないので埋め合わせのコラムを記す。 筆者円湖歩路こと佐野薫は、源平うどん店舗2階にある、かつてスターダストホールと称した多目的ホールが遊休施設になっており、有効利用のために改装を行って貸し画廊「Gallery K&S」を10月1日にオープンした。 同業諸兄はご存じと思うが、筆者は箸袋にデザインするための花の絵を描いており、描き始めた平成21年1月以来、現在に至るまでの作品数は440余点を数える。この趣味が昂じて遂に画廊を作ってしまったという次第である。 飲食店に画廊、それも本格的なものを併設しているなんぞ、まだ、耳にしたことがない。うどん店との相乗効果を期待するのは、皮算用だろうか。 筆者円湖の人生は挑戦に明け暮れたが、これは人生最後の挑戦である。 画廊についての詳しくはホームページ www.gallery-ks.com/ をご笑覧いただきたい。 会報264号掲載より 平成29年5月 数字が持つ表情 今月号は記事が少ないので穴埋めコラムを書くことにした。 円湖の店で発行している宣伝紙「紙ブログ」第5号の記事を引用したので、いささか、手前味噌じみてはいるが積み重ねたデータから見える、数字の持つ表情を見るのも楽しいものであることを読者諸兄に伝えたい。 3,016,000 26209÷1104=23.74≒24 これらの数字は一体何? 上の数字は円湖の店源平うどんが昭和42年(1967)5月16日に創業以来、今年の5月15日までにご来店いただいたお客様の人数3,016,000人。下の計算式は販売したうどんの全長26,209キロメートルを新幹線東京ー新大阪間の往復距離1,104キロメートルで割ると、おおよそ24往復したことになる言うことである。赤道の周りが40,075キロメートルだから半周以上したことにもなる。 計算の基本は来店総数にお客様が召し上がった1人前のうどんの長さ7.4メートルを掛ければよいわけであるが、ざるや鴨汁などつけ麺は1倍半、大盛りは2倍、びっくりざるは3倍など、しかも、暑いときと寒いときはざるうどんの出数が違うなど、直近1年間のデーターを分析して、一人当たり8.69メートルを導き出した。あくまでも、おおよそであるが大きくは、ずれていないと考えられる。 3,016,000×8.69=26,209,040=26,209キロメートル。これがうどんの全長である。 会員諸兄も自店のそばを1ヶ月分、いや10日分、いやいや昨日一日分を計算してみるのも新たな発見が有り楽しいと思われる。 会報258号掲載より 平成28年11月 年越しそば・うどんのテイクアウトが危機! この見出し、MCM会員諸兄はいったい何事かと思われるに違いない。 11月25日金曜日は松戸新田地区の食品衛生デーによる巡回指導いわゆる店舗検査であった。応対に当たった息子の話によると、保健所職員からうどんのテイクアウトは「めん類製造業」の営業許可が必要と指導された上に、これまでの販売行為は無許可営業に当たるので近く事情説明に来所するようにと申し渡された。早々に出頭するつもりである。 円湖は昭和42年(1967)に創業以来月間販売食数は数えるほどであるがテイクアウトはメニューの一アイテムとして続けてきていて、飲食店営業許可の範疇と認識してきたし、49年間にわたり一度たりともお咎めを受けたこともない。また、全国規模の麺類団体組織にも関わってきたがそんな話は聞いたことがない。さらに長年にわたって松戸食協三役、食品衛生指導員、推進員を円湖は務めていたが、店舗検査の時にこの種の指導を受けたこともないし、したここともない。 ネット販売をしたり小売店に卸したりと、流通に乗せれば製麺業の営業許可が必要なのは当然だがお客様が美味しかったからお土産に持ち帰る、これが「めん類製造業」の許可がいるとなれば重大事である。 例えば飲食店営業許可のフレンチのお店で自家製のケーキがあったとしよう。これをテイクアウトで売る場合菓子製造業の許可が必要なのだろうかとの疑問も脳裏をかすめる。 そば店ではあと一ヶ月で大晦日のイベント「年越しそば」を迎える。めん類製造業の許可など持っていないはずのMCM会員諸兄に限らず市内の、いや千葉県下のそば店が年越しそばの生めんと汁をセットにした販売を企てているはずだ。 何かの間違いであってくれればと願うばかりだが、何はともあれ事の重大さ故に取り急ぎ会員諸兄に知らせたい。今後の経緯についてはMCMの組織全体に関わってくるであろうから対応は根津代表幹事に委ねるつもりでいる。 もし、前述の通りであれば、今年の年越しそば・うどんのテイクアウトがヤバいのである。 会報257号掲載より 平成28年11月 ちりれんげ 鍋焼きうどんに添える「れんげ」正しくは「ちりれんげ」。かつて我々そばうどん店では鍋焼きうどん以外のかけそばやうどんには添えなかったはずである。 昭和40年代に一世を風靡したサッポロラーメンがレンゲを添えて出すようになって以来のことと記憶している。当時の一般的な中華そばの器よりも一回り大きく厚手の青磁で麺のボリュウムも多く、丼を持ってスープを吸うにはちょっと重たいし、また、具材の定番であるコーンをすくって食べるのにも必要不可欠であったからと思える。 円湖の店でも鍋焼きうどん以外にはれんげは添えていなかった。かれこれ30年以上も前の頃から時折「レンゲを下さい」と言われるようになった、やがてには「れんげが付いてないんだけど」とお叱りを受けるようになり、今では全部に付けている。 ★扇子を右手に、丼は左手でしっかりと持っているかのような様(さま)、扇子の箸を上下に二度三度、そこへフーフーフーと息吹きかけてから、ズルズルズルッと一気にのどに流し込み、両の手で抱えた丼を傾けて汁を呑み、手で口を拭う。これぞ、落語の世界のそばうどんを食べる様(さま)である。★ ところがである。近年食べ方も様変わりしたもので、れんげの上に麺を載せてから口に運ぶ、こうした仕草をよく見かけるようになった。お客様の勝手だから致し方ないとしても、先の落語ではないが麺は丼からズルズルズルッと勢いで食べてほしいものである。同業諸兄も同じ思いではなかろうか。 ちなみに円湖は昨秋から今年6月にかけて所用でうどん県香川に6回ばかり出向いた。言うまでもなく、うどん漬けの日々であったが、れんげはなかった。 会報256号掲載より 平成28年9月 彼岸花とメニュー切り替え 店の駐車場脇の彼岸花、15日には発芽の気配も無かったが翌16日より毎日10センチのスピ-ドで伸びて、ピタリお中日に照準を合わせて満開となりそうである。冷夏だろうが猛暑だろうが開花時期は同じ、実に摩訶不思議かな。 暑さ寒さも彼岸まで。22日は秋分の日、昼夜の長さが同じで翌日からは昼が短くなり日ごとに涼しさが増す。古来より雑節は農作業の目安としてであるが、我らそばうどん店としても秋冬メニューへの切り替えの目安となる。 円湖の店も「秋の味二つ」なる新商品を発売することとした。一つは『きのこ汁うどん』もう一つは『秋茄子のとろみ汁うどん』でこちらの麺はポリフェノールを含む黒米粉を練り込んでヘルシーさをアピールしたものだ。 数日中には全メニューの切り替えが終わる。 会報249号掲載より 平成28年1月 節分そばと香川県の年明けうどん 節分そばは、その昔、年越しそばといって(今で言う年越しそばは大晦日そばと言った)邪気を払う清めのそば を食べて立春を迎えたという。 この古き良き習わしの節分そばをMCMの手で復活させようとのキャンペーンを17年前の平成11年の節分から数年間にわたりポスターを各店に配って実施したがいつの間にか立ち消えになってしまった。 そこで、このキャンペーンを再度行えないものだろうか一年に一回のことであるから、普及するには長い年月と根気がいる。売り上げには直接結びつかないとしてもらMCMがこの古き良き習わしをお客様に知ってもらうための情報発信をすることは業界人としての役目ととらえみるべきである。いつの日か節分そばが定着する日を夢見るのもロマンではないだろうか。 ところで、年明けうどんなるものが香川県にはある。こちらは数年前から始まった。 さぬきうどん振興協議会が年越しそばが年末ならば年始にうどんを、との事から生まれた販促キャンペーンである。(本紙247号コラム参照) 1月12日に所用があって羽田始発、帰路は最終便で郷里の高松へ行った。本場香川の年明けうどんは、どうなってるのかなとの思いもあって朝、昼、おやつ、夕と4軒のうどん店で食べたが、どの店も「年明けうどん」は、やっていなかった。車で移動中もうどん店に幟や看板ポスターの類いもお目にかからなかった。 年明けうどんの定義は1月15日までだから未だ期間内だ。発信元の香川でこの有様では「年越しそば」に対抗してなどと始めたものの普及にはほど遠いと感じた次第である。 閑話休題 さて、節分そばに話を戻すとして、下は当時各店に配ったポスターであるが、必要ならば根津代表まで。 96/100 会報247号掲載より 平成27年12月 年越しそばと年明けうどん 師走に入り我らそば業界の一大イベント「年越しそば」を迎える事になる。 円湖の友人である川口の「お蕎麦や杉うら」さんでは早くもフェイスブックに年越しそば予約の書き込みがされた。MCMの会員諸兄もそろそろ気に留め始めた事と思われる。 円湖はさぬきうどんだから、おそば屋さんの盛況を横目で見ながらも、キャッチコピーの”人生は太く長~く”を掲げてそれなりの工夫を凝らしてはいるが、おそば屋さんの比ではない。 しかし、うどんには「年明けうどん」なるイベントが数年前から始まった。こちらは、さぬきうどん振興協議会が年越しそばが年末ならば年始にうどんを、との事から生まれた販促キャンペーンであるが、まだまだ地に足が付いていない。年明けうどんと名付けても良い条件があり、うどんに紅白の具材が入っていれば何でも年明けうどんと称する事ができるという極めてアバウトなものである。 そこで円湖の店では「それじゃあちょっとねえ」との思いから一工夫している。この写真は今年のメニューであるが、これは紅白麺が別々に入っているが、一本の麺で紅白を抱き合わせて二層にしてみてはと挑戦をして試作に成功した。原理は生地2枚を貼り合わせて製麺する単純なものだが、茹でたときに剥がれないかとの危惧もあったがクリヤーして我ながらGoodと自画自賛してはいるものの、いざ販売となるとちょっと面倒かなとの思いが強い。 会報246号掲載より 平成27年10月 ハローウィン 巷にはハロウィーンムードで溢れているが、円湖の店でもこのブームに乗り遅れまいと、ハロウィーンフ ェアと名付けて「パンプキンうどん」なるものを発売した。 作り方は北海道の栗カボチャを蒸してからペーストを作り、粉に15%を混入して細うち麺に仕上げ、カボチャの天ぷらとペースト入りの汁で食べるものである。 言うまでもなくこれによって客が増えたり売上が伸びるわけでもないが、お客様から「この店の主は常に前向きに取り組んでいるな」との思いを寄せてもらえればファンの拡大と固定化に繋がる事が期待できる。 これも販売促進の一手段と考えている。 会報245号掲載より 平成27年9月 フェイスブック 2年前にフェイスブックに手を出したが、システムが難解なことや、見知らぬ人から友達申請がやたらとあって、薄気味悪さも手伝って一ヶ月で退会した。 今年の5月に若い友人の蕎麦屋さんの勧めで再び始めた。 フェイスブックページには販促につながるお店の情報を、個人ページには趣味の花の絵を投稿している。 以来、連日就寝前の1時間はFBの閲覧と投稿に費やしているが、クリエーティブな連中が多くて、その投稿からは貴重な情報と知識を私にもたらしてくれている。特に同業のそば店の投稿からは彼らのたゆまぬ経営努力を垣間見ることが出来るし、趣味の水彩画の投稿からはプロの「友達」も多く、素晴らしい絵に感化を受けている。今や私にとってフェイスブックは一日のサイクルの一部分になっている。 私はフェイスブック(FB)とホームページ(HP)から発信する情報は販促の強力な武器と考えている。 ところで、MCMのホームページであるが、前号でも情報提供を呼びかけたが反応がない。情報が有れば即刻アップができるのでサイト管理者の佐野か根津代表まで提供して欲しい。 会報243号掲載より 平成27年6月 HP開設から15年 MCMのホームページを平成12年5月に開設して以来15年が経過した。 ご承知のようにMCMのHPは「筆者の店が仲間のMCM会員をを紹介する形」をとっている。 ホームページは常に更新して新しい情報を提供しなければ意味が無いのであるから時折各店の情報提供を呼びかけてはいるものの、理解を得られないのが実情である。今や誰もがスマホを操っている時代であって、スマホでの飲食店の検索は常識となっており、HPを販売促進手段として有効活用しない手はないと思う。 充実をするためにも、写真や文言などの情報が有れば即刻アップができるのでサイト管理者の佐野か根津代表まで提供して欲しい。 会報240号掲載より 平成27年2月 節分のサプライズ 去る節分の夜にご来店のお客様に予告することもなく、うどんの恵方巻きをひと口ずつと福豆を差し上げたところ、予期せぬ出来事に大喜びをいただいた。まさにサプライズである。 この事が直接売上に貢献するわけでもなかろうが、話題性など何らかの効果は期待できたはずである。 さて、故事諺の「柳の下に泥鰌(ドジョウ)」ではないが、またの効果を期待して3月3日桃の節句にも仕掛けたいと企てている。 今度は巻き寿司というわけにはいかないので、茶切りうどんに節句らしい彩りよく具をちらした小さなうどんをサプライズで提供するつもりだ。なぜ茶切り?と思われようが、5月1日は八十八夜、小学唱歌の“夏も近づく八十八夜・・・・あれに見えるは茶摘みじゃないか”に因んで、ちょっと気が早いが、年寄りは気が短いんです。(笑い) 今からお客様のビックリ顔と笑顔の様を思い浮かべては、悪戯っ子になった気分でいる筆者76.95歳である。 会報236号掲載より 平成26年11月 フェア 当店では毎月「○○フェア」を行っている。お客に次回は何フェアかしらとの期待感をもたせて、それを来店動機に繋げるもので、去る9月に「敬老の日フェア」をやった。健康志向の豆乳仕立てで、柔らかいうどん入りの「やわらか おじや」を売ったところ予想外の反響があり、今ではグランドメニューに定着させるに至った。これからも高齢化社会を見据えたメニュー開発を進めるつもりだ。
会報169号掲載より 平成20年2月 新年会でサポーター代表として挨拶した板橋厨房社長はソバの契約栽培も視野に入れた組合活動をしてはいかがと提案された。 あまりにも大きくてハードルの高いテーマであるから理想ではあっても検討することすら及び腰になりそうだ。 しかし、身近なところにお手本がある。それは八千代市の「やちよ蕎麦の会」 で、平成12年に発足し、加盟10店が休耕田を借りて収穫したそば粉を使っている。新蕎麦の時期にわずかな期間だけ使用する程度ではあるが、市と商工会議所のバックアップや栽培過程にボランティアの応援を得るなど、そば粉の実質よりもそこから派生する宣伝効果の方が大きい。つまり、形を変えた販売促進策である。 MCMにとって夢物語であるとしても、夢を持ち続けることは楽しいし、実現の可能性だって無きにしもあらず。Boys, be ambitious. ならぬ Mcms, be ambitious. MCMよ大志を抱けである。 ところで、中国産玄ソバは輸出関税を20%かけることになったし、トウモロコシなどバイオ燃料への転作が始まり、また、中国国内自体のソバの消費量が高まってきていることなど中国産玄ソバ価格高騰の要因は充分すぎるほどある。輸入玄ソバ約8万トンのうち8割を占める中国産だから、その影響力は極めて大きい。これらの要因が改善される見通しは皆無であり、悪化の一途をたどることは明白である。 さてさて、夢物語が現実になるかもしれない。 会報168号掲載より 平成20年1月 食協の友人からの年賀状に、彼自身の今年の目標として「急がず、あせらず、ゆっくりと」と書き添えてあった。おそらく今の混沌とした世相を生き延びるための自身に課した教え(訓)だと私は解釈した。 彼は私よりも若いのだから、これで良しと納得はしたが、私はそうはいかない。 本来ならば粉骨砕身一生懸命生きてきたその人生満期の利息(ご褒美)を今頃は受け取れずはずであった。しかし、このご時世では、砕けた骨を更に砕かねばならない。しかもゴールは刻一刻迫って来るとなれば、「急いで、あせって、せかせかと」と、彼の目標をパクるしかない。 会報166号掲載より 平成19年12月 ガソリン価格の高騰を引き金に、連鎖反応的に値上げラッシュの現象が起きている。我が業界においてもオーストラリアの干ばつで小麦粉ASWの価格が上がったし食用油も大幅に上がった。世界的な情勢から観てもこの現象が沈静化する要因は見当たらない。 デフレスパイラルによって、消費者にしてみれば物が安く買えてありがたくても、中小企業や商店街は不況に喘いでいる。我が業界も例外ではない。 緩やかなインフレは経済を活性化すると言われているが、このところの急激な値上げラッシュは不況でありながら物価が上昇するというスタグフレーションの様相を呈していると感じるのは筆者だけだろうか。 閑話休題。「誠に申し訳ないのですが次回納品分からは・・・」と仕入業者からの宣告を戦々恐々としている日々が続く。 しかし、仕入原価が上がったからと言って直ちにそばうどんの価格に転嫁するには問題がありそうだ。それは、そばうどんの持つお値打ち感つまり価格と商品内容とのバランスであるが、残念ながら他の外食と比べると競争力の低下を感じる。 今しばらく世間の動向を見極めてからでも遅くはないと思われる。 会報165号掲載より 平成19年10月 亀と福どちらもハッピーな二文字であるが、この字に田と福が付くと、このところ連日テレビのワイドショーを賑わしているダーティな二文字となる。 言うまでもなく亀田と赤福だが、亀田は我ら食の業界と無縁であるので横に置くとして、赤福の食品衛生法違反はボロボロ出てくるから相当なものである。 誰もが一度は食べたことのある、あの赤福餅、江戸時代から続く老舗が赤心(いつわりのない心)を失った結果、記者会見で真っ赤なウソをついて世に赤恥をさらして赤面の至りであり、信用失墜では収益は赤字になりかねない、ここ一番全てを赤裸々にして出直すことが信頼回復につながる。 それにしてもこの種の問題は後を絶たない、今年に入ってから数えても五本の指では間に合わないほどである。 「世に盗人の種は尽きまじ」とは石川五右衛門の言葉、「世に不当表示の種は尽きまじ」とは誰に言わせるべきか。 我々は食品メーカーではないが、食の安心安全を守る立場は同じ、これを他山の石としなければならない。 ちょうど今、本文を執筆中にも比内鶏、宮崎地鶏と出てきた。「比内鶏よ、お前もか」。 会報164号掲載より 平成19年9月 私の郷里香川県ではこの時期、郊外の田畑を見渡すと、到る所に赤い塊が目に入るが彼岸花である。農家の庭先、石垣の間、寺の境内、墓地などは言うまでもなく、とにかく多い。子供の頃、高徳線(高松と徳島を結ぶ鉄道)の鉄路の土手が真っ赤に染まっていたのを想いだす。 私はこの花が大好きで十数年前に四国から持ち帰った球根が駐車場の片隅で年々増えている。 彼岸花は実に不思議な花で、今年は芽が出ないのでどうしたのだろうと思っていると15日を過ぎた頃に突然に芽を出し、一日に5,6センチあまりも伸びて、ピタリ彼岸のお中日に照準を合わせたかのごとく満開になる。猛暑の時も冷夏の時も開花時期に変わりがなく実に律儀な花である。 暑さ寒さも彼岸までと言われる。季節の移ろいに合わせて、当店では彼岸花を境に秋メニューへと切り替えが始まる。 会報161号掲載より 平成19年6月(161号では二題掲載しました) ここ数年前から「食育」なる言葉をよく耳にするようになった。 「食育」とは様々な経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てることであると定義されている。 2005年(平成17年)6月10日、食育基本法が成立された。食育によって国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことを目的としている。食育基本法においては、生きるための基本的な知識であり、知識の教育、道徳教育、体育教育の基礎となるべきものと位置づけられている。単なる料理教育ではなく、食に対する心構え、栄養学や伝統的な食文化についての総合的な教育である。 先日届けられた広報まつど6月15日号の一面に食育に関する特集記事が掲載されていた。また、 啓蒙事業としては【食の夏祭りin松戸】を7月15日に森のホールで開催するもので、服部幸應氏を招いての基調講演や松戸市民劇団による食育劇などが行われとのことである。このイベントの周知には食協や調理師会も協力をしてる。 さて、MCMのソバプロジェクトによる市立旭町小学校のソバ打ち体験教室は種まきから始まり、生育状態の観察、収穫、製粉工場見学、ソバ打ち、そして食事まで、一連の流れはまさに「食育」以外のなにものでもない。 これが始まったのは2001年9月(平成13年)であるから、基本法制定の四年前から食育に貢献していることになる。旭町小の他にも上本郷小、稔台学童保育杉の子会、市教育委員会のふれあい学級などにもソバ作りを指導しており、これらも食育の一翼を担っている 会報161号掲載より 平成19年6月(161号では二題掲載しました) 羊頭狗肉とは羊の頭を看板にして実は犬の肉を売ると言う四字熟語。看板に偽りありの意味であることはご存じの通である。 牛肉ミンチ偽装問題の会社の屋上には、テレビで見る限り等身大とおぼしき牛の模型看板が掲げられている、つまり牛を看板にして実は豚、鶏、鴨、羊、その他を牛100パーセントと称し混入していたのだから、「牛頭豚鶏鴨羊他肉」八字熟語になってしまう。もうこれ以上九字、十字熟語にならないことを願いたい。 我が業界の過去にはいくつかの事例があった。30年近くも前にもなるかと思うが製粉会社が商習慣的にソバ粉に小麦粉を混入していた。2004年にはJA香川が「さぬきの夢2000」100パーセントが売りの乾麺が実はオーストラリア産小麦を混ぜていたこと。同じ年に札幌市の製粉会社が国内産100パーセントとしながらアメリカ産のソバを混ぜていたことなど記憶に新しい。 日麺連が消費者のより強い信頼を得るために推し進めている、麺類飲食店の標準営業約款がある。この条件を満たす店は営業施設の店頭又は店内に全国生活衛生営業指導センターの定める標識Sマークとサービス内容等約款の要旨を掲示することになっていて、消費者はこれにより約款に従った安全で安心できる約款登録店であることを知ることができるようになっている。 近頃、気がかりなことを耳にするようになった。約款で定めるそばの配合比率七三が実際には思うに任せず元の比率に戻したという話だ。さもありなんと思うが標識Sマークは外しているでしょうね。 会報154号掲載より 平成18年11月 「たら・れば」はないが、敢えて杉浦さんの選挙について考察すると、前回14年の市議選は当日有権者数372,365人、投票率40.14%で4534票であった。 今回は380,388人、投票率37.84%で4349票、これが前回並みの投票率であったらと思うと、選挙は算数ではないのは百も承知の上だが、今回の得票率を基に単純計算すると4611票となって前回を上回ることになる。 選挙は表の数よりも内側の数を見ることで実力を計り知ることができる。 会報153号掲載より 平成18年10月 ◇「これって安いんじゃない!?」(満足盛り胡瓜のお新香)◇「こんな天丼見たことない」(トロたま天丼) ◇「まさかのまさか、きつねうどんが進化するとこうなる」(冷やもりきつね汁うどん) ◇「こう言う味もあったんだ」(熱もり木の子汁うどん) ◇「辛さ爆発・美味しさも爆発だ」(激辛うどん) ◇「レトロな味の特大きつねと大盛りうどんの出会い」(デッカイきつねうどん) ◇「のど越しの言葉はもう古い・のどをすり抜ける美味しさ」(特製細打ちごまだれうどん) ◇「種子島産の紫芋を練り込んだポリフェノールを含む健康うどん」(紫陽花うどん) ◇「旬を彩る」(冷やがけ若竹うどん) ◇「夏が食べたい」(冷やし中華風うどん 涼麺) ◇「今、この時の味」(秋冬限定 ごぼう味噌煮込みうどん) これらは弊店のキャッチコピーで( )はその商品名である。このコピーを配したメニューおよびポスターによる訴求効果は高く、販売動向がそれの証になっており、キャッチコピーは極めて重要な販売ツールといえる。 秋の夜長、コピーをあれこれ考えるのは楽しいものである。効果覿面となれば「してやったり」 と、まさに快感。 会報151号掲載より 平成18年8月 今月の会報の号数を151号と記入して気がついた。 「ん!? 先月は150号だったんだ、節目だ」と。普段極めて機械的に作業をこなしているものだから、気づかないで通り過ごしてしまった。数号前にはそろそろ節目だな、と思ってはいたのだが・・・。 思えばわれながらここまで続けられたと思う。この間数回記事がなくて休刊したことや、入院のために134号(17年2月)を笛木前代表にピンチヒッターを願ったこともあったが、平成5年9月22日発行の「発会式のお知らせ」が最初で、翌月から表題「会からのお知らせ」として記事の体裁になった。その後「MCMだより」に変えて現在に至っている。 日常の連絡事項以外に、いま会が何を考え、これから何をしようとしているのか、こうした情報を余すところなく的確に伝達するツールである。 会の進むべき方向に全ての会員の目線が向いていることが、会の発展に繋がることを考えれば会報の役割の重さとそれの執筆に携わる者としての責任を重く受け止めている。 この先続けて行けば200回の節目を迎えることになるが、できれば後継者がそれを迎えることが望ましく思われる。
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